組織を活性化させたい場面、日常業務の中で業務改善を進める場面において、最強の能力「自ら率先して動く能力」。これをどう伸ばすか。​

今年も桜が綺麗に咲きましたね。今回は桜っぽいネタを。

業務改善の場で最も輝く能力

日ごろから問題意識を持ち、誰から言われるまでもなく改善を進める人。組織に少なからずいると思います。立場に関わらず、年齢に関わらず、経験に関わらず。

私はそんな彼ら、彼女らが大好きです。
業務改善の中で必要とされる能力やスキルはたくさんあるなかで、最も重要で貴重な能力と考えています。業務改善の場において、彼らのような存在が試行錯誤の回転数を向上させる。答えのヒントをくれる。今のままではダメだという空気を漂わせる。

こういう人達が経営陣、管理層、現場の随所にいる企業は強い。
役員でもアルバイトの兄ちゃんでも立場は関係ありません。マネジメント業務でも簡単な書類作業でもやっている仕事のレベルは関係ありません。
「言われることなく行動を起こすことができる力」は強大な価値です。

能力なのかスキルなのか、何なのか

やる気の問題ではないようです。「近々辞めてやる」「どうせ昇給は望めない」「私の仕事じゃないのに」という負の感情を持つ従業員でも、モチベーションの状態に関わらず、行動を起こす人は行動する。

スキルというより仕事の姿勢、それよりも性格と言ったほうが良いかもしれません。
動かない人を教育すれば、説教すれば一時は動き出すかもしれないが、やがてはゼロに収束していく。他から影響されずとも、自然に湧き出す無限のエネルギーは性格から来ていると見た方が良い。

性格と見ることで、「育てる」以外の選択肢として「探し出す」という作戦が浮かび上がる。

経営者、管理者へのお願い事項

見つけて褒める

経営者、管理者の皆さまはそれに気付いて感謝してあげて欲しい。
気付くアンテナを張ってほしい。
結果が全て、それがプロだ、当たり前だ、とかつまらない事を言わずに。

慢性的な人手不足に陥ったこのご時世、金を稼ぐなら他でもいいはずなのに、貴重な時間を割いてあなたの会社で頑張ってくれるというのは非常にありがたいこと。彼と同じ目線で丁寧に「ありがとうございます」と言ってあげて欲しい。本人は「ちょっと気になったから」「そんな大したことないですよ」「誰もやらないから」と謙遜するかもしれませんが。

勉強して得られない。叱って身につくものでもない。類まれなる能力に感謝することで、彼の心にさらなる炎が巻き上がる。承認欲求、自己効力感など言いだすと難しくなりますが、小さな行動に価値を認める。

「ありがとう。そういう事に気付く社員ってホント貴重。」
「そのアイディア良いねぇ!今度会議で皆に紹介しよう!」
「そういう行動ぜひ続けて欲しい。ところで○○に困ってるけど、いいアイディアない?」

行動の結果、失敗することはもちろんあります。
従業員教育の接し方は厳しくするか否かというトレードオフで語られることが多いですが、行動と結果は分けて考えるべきです。結果については厳しく接してもいいですが、行動したことはしこたま感謝する。

近いうちに職場を離れる学生バイトも褒めてしまいましょう。「社長がこんな細かいことに気が付いてくれて、わざわざ褒めてくれた」と成功体験がいつまでも記憶に残り、就職先でも積極的に頑張ってくれるかもしれません。

褒める理由を伝える

なぜ褒めるのか。どんな点に価値を見出しているのか。その理由を伝えてあげましょう。
「今うちの会社は○○を目指してる。君がしてくれたような改善の積み重ねがないと。。」
「皆さん、○○さんが〜〜を提案してくれました。簡単なことですが重要。理由は。。」

意思決定の場面にどんどん巻き込もう

貴重な能力であるからこそ、集める。
起動修正機能の改善する場面において、そんな彼らをどんどん彼らを引っ張りこんでいきます。活躍の場を作ります。大人しい子でも人前に出るのが苦手な子でも負担にならない程度に巻き込む。「それって多分○○だと思います」とか細い声で貴重なアイディアを得られるかもしれません。

リーダーという立場には適さないかもしれませんが、日常的な業務の軌道修正のきっかけを生み出す、流れを作るキーマンには十分なれる。PDCAで言うなら、DとCの間、CとAの間を円滑に流す役割でしょうか。

古くから語り継がれてきた褒めることの大切さ。
加えてなぜ褒めるのか、理由を伝えること。
そんな彼らをもっと大事な場面で活躍させること。
即効性のある取り組みではありませんが、じわじわ効いてきます。
そんな日常を繰り返しながら、「たいへんよくできました」の桜のハンコを満開にさせましょう!